
炎炎ノ消防隊は王道かつ非王道。新しいロマンを求める方におすすめ!
突然趣向の話で恐縮ですが、私は王道バトル漫画(アニメ)があまり得意ではない。 戦闘の連続、それぞれを深堀しきれない数の膨大な数の登場キャラクター等、いわゆる「王道バトル漫画(アニメ)」は飽きが来てしまい中々完走することができずにいる。 そんな中つい目を奪われ、視聴後ももう一度見たくなった『炎炎ノ消防隊』を今回はレビューしていこうと思う。 今回レビューをするにあたって、私が「つい見てしまうバトルアニメ」と「飽きが来てしまうバトルアニメ」の違いについて考えてみた結果、一つの答えにたどり着いた。 それは「日常パートの多さ」だ。 それぞれのキャラクターたちがどのような日常を送っているかや、それにより一つ一つの行動に対して何か理由があることがはっきりとわかる描写があると物語への引き込まれ方が違うように感じた。 戦闘をすることも日常の一部であり、その時の緊張感と、非戦闘時のゆるい空気感のバランスが今回の『炎炎ノ消防隊』は絶妙にちょうど良いのだ。 同作者の『ソウルイーター』も大好きな私だったが、今回の『炎炎ノ消防隊』は同じ熱量で楽しめるとてもいい漫画であり、現代の技術で表現される「炎」の美しさも相まって非常に素晴らしい作品に仕上がっている。
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- 作成日時:
- 2025/04/28 15:31
- 更新日時:
- 2025/04/28 17:53
炎炎ノ消防隊 参ノ章
- 制作年:
- 2025年

人体が自然に発火することで怪物になってしまい、それを制圧する組織がいることが当たり前にある本作。 敵と戦うための組織が登場する作品はこの世に数多とあるが、「元は人間だった」という設定が織り込まれている作品は少なく、それが最初にこの作品に興味をしめした理由だった。 なんと組織に必ずシスターがいて祈ることから制圧がスタートする。最初は不思議に思ったが、怪物に変化してしまった人の親族が出てきたり等、「元は人間であった」描写が数多く存在し、これが単なる戦闘ではなくこの世界における「救助活動」である深堀がされており、それにより生じるそれぞれのキャラクターの正義感や苦悩が表現されているのがとても良い。 今回は約5年ぶりのアニメであり三期に突入するというところで、どんどんシリアスになっていくかと思いきやコミカルな部分は残っており、それでいて戦闘シーンはしっかりと緊張感のある描写をされていて、『炎炎ノ消防隊』の良さをしっかりと表現できているように思う。 特にアニメだからこそ良いと思える表現が一番大事な「炎」の表現だ。 単純にきれいな炎を描くだけであれば高度な技術ではないと思うが、このアニメは「炎」に感情が乗っているのだ。炎の描写の仕方によって細やかなキャラクターの心理状況を表現したり作品の空気を作っている。多くの漫画が「結局原作の方がいい」となるのはもはや当たり前かつ仕方のない事ではあるが、『炎炎ノ消防隊』に関しては絶対にアニメも合わせて見た方がより楽しめる作品となっているだろう。 私にとっては漫画作品としても、アニメ作品としても、どちらの観点からも強く人におすすめできる1本となっている。 まだ三期は始まったばかりだが、これからの展開に注目していきたい。